将門公首塚

所在地 東京都千代田区大手町1-1-1
祭 神 平将門
ご利益 国家鎮護、万民安寧、迫害退散

板東(関東)の守り神、平将門公の首を祀った塚です。ただし、長い間「朝敵」とみなされていました。
といいますのも、平安時代の中期、朝廷の悪政に対して反逆し、自らを「新皇」と称して関東に新政府を立ち上げようと天慶(てんぎょう)の乱を起こした人物だったからです。
当時は古代律令制が崩壊し始めた頃であり、庶民の生活は非常に苦しかったといいます。
将門はいわゆる武将でしたが、桓武天皇五代の後胤でしたから「新皇」の権利は充分に持ち合わせていたわけです。

この地に首塚があるわけは、940(天慶3)年、朝廷軍の勇者・俵藤太(藤原秀郷)に、現在の茨城県岩井市あたりで討ち取られ、一時は平安京の都大路(四条河原という説もある)に曝されていた首が三日目に光を放ちながら夜空に舞い上がり、切り離された胴体を求めて関東まで飛んできて、この地に落ちたからだといわれています。
この時は大地が揺れ、あたりは暗闇になったといいます。
また、首を祀った伝承地についてはいくつかの説がありますが(築土神社参照)、一番知られているのが、ここ「将門公の首塚」です。

その後、塚が鳴動し光を放つ異形の武将が現れる、疫病が蔓延するなど、たびたび将門の怨霊による禍が起き、土地の人達は非常に難渋していました。
首が祀られてから約360年後の1303(嘉元1)年、ここに立ち寄った真教上人(他阿真教)が荒れ果てた首塚を見て、将門公の「蓮阿弥陀仏」の法号を追贈し、塚を修復して近くの日輪寺(柴崎道場、後に浅草に移転)に祀り、またこの地にあって同様に荒れ果てていた安房神社を修復し、神田明神と名を改めてここにも将門公の霊を祀りました。
ですから、現在千代田区外神田にある有名な神田明神はこの地がおこりなのです。ちなみに神田という地名は将門公の首の無い胴体(からだ→かんだ)を埋めた地という意味だそうです。

将門公の逆賊としての罪は1626(寛永3)年に幕府と朝廷によって許されますが、江戸時代には歴代のこの地の管理者や神田明神などに手厚く祀られます。
ところが大正時代の関東大震災後、焼け野原になったこの地に塚を壊して大蔵省の仮庁舎が建築されます。
すると役人の中で怪我や病気になる人が続出。ついに時の大蔵大臣や営繕局の工学博士などの関係幹部が、なんと14名も亡くなり、さらに怪我人も多数でたので、これは首塚を壊した祟りであるといわれるようになり、結局庁舎を取り壊すに到りました。
その後、政府の要人も多数参加し、神田明神の社司によって盛大な鎮魂祭が営まれます。
しかし、時局が緊迫し、例祭がおろそかになり始めます。将門公没後1000年にあたる1940(昭和15)年、雨中突然大蔵省の本庁が落雷に遭い炎上。当時の大蔵大臣の指示で盛大な一千年祭を執り行うこととなります。
この時建てられた板碑が現在のものです。「蓮阿弥陀仏」の文字は日輪寺のものを写したもので真教上人の書といわれています。

しかし1945(昭和20)年の空襲で首塚は再び焼跡の中に取り残されます。今度は進駐してきたアメリカ軍がこの地をブルトーザーで整地し、首塚を片付けようとしたところ、ブルトーザー運転していた日本人が突然事故死します。
事情を知った人々が米軍司令部に陳情してこの地の工事を阻止しています。それ以降民間の有志団体が首塚を守り、現在、四辺をビルに囲まれていますが、三井物産や東京三菱UFJ銀行など近隣の企業も参加して「史蹟将門塚保存会」が設立され、現在に至っています。
ちなみに周囲のビルでは、将門公の首塚を見下ろさぬよう、窓を作らなかったり窓があってもブラインドで見えなくしたりと、霊を慰める工夫をしており、幹部を含めた会社員の献花や線香の煙も絶えません。

現在は知りませんが地元のボランティア団体への資金源として、すぐ近くの東京三菱UFJ銀行には「平将門」名義の口座が開かれていました。
また、「爆笑問題 」の太田光氏がかつてこの塚にドロップキックをしたことがあったそうですが、その後しばらくは全く仕事がない時期があったそうです。
東京人ならずとも、近くにおいでのせつは是非一度ここを訪れることをお勧めいたします。

東京三菱UFJ銀行の正面玄関に向かって右手にある案内板。
一番下に「←将門首塚」とあります。

ビルの一画にある小さな公園といった雰囲気ですが、緑が豊かでまるで別世界。
かつては小さな古墳になっており、石室や石廓があったといいます。

将門公の石灯篭には紙コップに入った御神酒が添えられていました。
祭日は9月15日。

なぜか大きな蛙が塚を取り囲んでいます。
理由はよくわかりませんが、首が帰ってきたので「かえる」なのでしょうか。
それとも将門の故郷、筑波山麓のガマにちなんでのことでしょうか。
ご存知の方は教えてくださいませんか。

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